これで、5回目。
暖房の効いているロイの部屋のソファで、またエドが欠伸をした。
今にも瞑りそうな目で、それでもまだ本を開いている。
そんなに眠いのなら、一層瞳を閉じてしまえばいいのに。
ウトウトと頭がガクっと落ちたかと思うと、またハッとして頭を上げ。
それの繰り返しだ。
見ているのが面白い。
書類を置いて、エドを観察していると、その内、下がった頭が上がらなくなった。
完全に眠りの世界に入ったらしい。
話すことが出来ない空間に、行ってしまった。
そう思うと、ひどくつまらなくて。
机の側を離れ、エドの側に腰掛ける。
<つまらない・・・>
可愛い、無防備な寝顔を見るのも、それはそれで楽しい。
だが、今は物足りない。
頬杖をつきながら息を吐くと、エドが左へと寝返りを打った。
丁度ソファの背もたれに向き合う格好で、すやすやと眠っている。
「鋼の」
そうっと肩に手で触れても、全く起きる気配がしない。
あんまり動かないものだから、今度はトントンと叩いてみた。
だが、全く反応が無い。
どこまでしたら、起きるのだろう。
顔を近づけ、頬に唇を寄せてみた。
そうすると。
「・・・・ぅ・・ん」
やっと反応があった。
ゴシ、と頬を手で擦り、今度は仰向けになった。
しかしまだ、目を覚まさない。
「・・・・・・」
これは面白いと思い、次は唇を塞いだ。
一度触れたものだから、そこからどんどん歯止めが効かなくなった。
音をたてて唇を離すと、起こさないように、静かに上着の中に手を侵入させた。
普通、ここまですれば起きるものだが、エドは時折、少し寝苦しそうに息を吐くだけで、目覚めはしない。
それをいい事に、ロイの行為はどんどんエスカレートしていく。
服の上からだと華奢な少年に見えるのに、肌をまさぐる度、筋肉があるのを確認できた。
愛しそうに撫ぜながら、手は上に這っていく。
いよいよ、我慢が出来なくなってきた。
どんな表情をしているのかとエドを見ると、へにゃりと、柔らかい表情をしていた。
エドの気の張ったような表情ばかりを見てきたロイは、それに驚く。
彼がこんな表情をするのは、弟のアルフォンスと一緒に居る時くらいじゃないだろうか。
何だか嬉しくなってしまう。
エドの服の中にあった手を、ひっこぬき。
ゆっくり眠って欲しいと、そう思った。
だが。
30分。
1時間。
1時間半たっても、エドは起きない。
チラリと見る度、あの可愛い寝顔が理性を崩そうとする。
ー前言撤回。
やっぱり早く、一刻も早く起きてくれと、ロイは心の底から願ったのだった。
・ ・オシマイ・・。
|