「あ、大佐」


「…鋼のは…」


辺りを見回すが、いない。
しかし、弟が居るという事は、少なくともまだ、帰っていないという事だ。


「…わからない。僕、本に夢中だったから」


そう言うと、アルはまた本に目を移した。
部屋を出ると、とりあえず外の方を探し回った。
だが、いない。
書庫を初め、色々と探し回った。
が、見つからない。

一体、何処に行ったのだろう。

後回っていない部屋で、エドが行きそうな所を考えていると、パっとある部屋が思い浮んだ。
何故忘れていたのか。


仮眠室に向かって走り出すと、勢い良くその扉を開けた。

だが、いない。


「………」


一応、部屋を回ってみる。
そして、ベッドの近くまで来てみると。

反対側の床に、転げ落ちているエドの姿があった。
それでもまだ、寝ている。
これでは扉を開けても、見えないわけだと思い、微笑を漏らした。


「…鋼の」


まだ、目を開けないでいる。
暫くその寝顔を見ていると、ようやく目が開いた。


「…あ…?」


ぼんやりした瞳で、ロイを見つめる。
何故、彼がいるんだろう。
会いたかった人が、目の前に居る。
会いたいって、自分は何故。




<何故って…だから…>





そういう事、なんだろうか。


「…大…」


「そんな所で小さくなっているから、見つけるのに苦労したよ」


ブチッ

今まさに、告白めいた言葉を口にしようとしていた、エドの顔色が変わった。


「小さい言うなーっ!!」





* ***



「エドワード君、もうお帰りになったんですか?」


「ああ…」

機嫌を、損ねてしまった。
あの後見事に一発…というか、何発かお見舞いさせられた。


「…その怪我、どうされたんですか」


「・・・・・・」


ロイはその事については、もう口を開かなかった。








おわり。









クダラネ〜…
因みにアルがエドの居場所を教えなかったのは兄さんにウフフ、恋心だからですよ…
なんかもう、色々で適当でスミマセン…

読んでくださった方、ありがとうございましたvv

←BACK

小説へ戻る