「…ほう。君がそんなに人付き合いを気にする人間だとは、知らなかったな」

鋭くなったロイの目を見て、エドは身の危険を感じた。

<ダメだ……すげー怒ってる…>

エドは早く自分の部屋に行こうと決心する。
こんな所にいても、喧嘩になって終わりだ。
しかも口が達者で自分より一枚上手なロイと、まともに口喧嘩をしても、到底勝ち目はない。
言いくるめられるなんてたまったもんじゃない。

「…もう寝るから」

こそこそと部屋を出ようとするが、ドアはある一定の隙間以上開かない。
見るとロイの手が、ドアを押さえつけていた。
ゆっくりと振り返ると、瞳がぶつかる。

「駄目だ」

ヒョイっとエドを自分の肩に担ぐと、そのまま自分の部屋に連れて行こうと歩きだす。

「うわ…!!ば…っ降ろせって!!」


・・・しかしエドが下ろされたのは、ロイの部屋のベッドの上だった。






「…っもう…寝るっつってんだろ…!!」

寝る、というエドの言葉を無視してロイは行為を続ける。
耳元に唇を寄せると、そっと口付けた。

「明日寝ればいいだろう」

明日は日曜日。学校も休みだ。
確かに明日はゆっくり寝れるが、今日はもう勘弁して欲しいというのが、エドの言いたい事だった。

「そういう意味じゃないって…っぅん…っ」

もう何回か達したというのに、ロイはまだまだ止める気配がない。
それどころか、まだまだ、といった雰囲気を醸し出している。
・・・いい加減、開放して欲しい。

「大体君は、私以外の人間に構い過ぎだ」

面白くないと呟くと、ロイはその自身でエドを貫く。
暗い室内で粘膜の音と、吐き出される息遣い、それにベッドの軋む音が生々しく、エドを煽る。
今夜だけでも、もう何回目か。
耳に残って離れない。

「やぁ…っあぁあ…っっ!!」



…それからエドの声が寝息に変わったのは、まだまだ先の、明け方の事だった…。














翌日・昼。

先程やっと目を覚ましたエドは、布団の中でジタバタと必死でもがいていた。
布団の中には、勿論もう一人。

「ば…っ!朝っぱらから何考えてんだよ!」

ロイの腕にその身を拘束されているエドの首筋に、ロイはチュっと吸い付く。

「朝じゃなくてもう昼だ」

「うるせー!こんな時間まで寝てるハメになったのは誰の所為だよ!」

明け方までやられたこちらの身にもなってほしい。
だが、ムキになって訴えるエドの言葉を聞き流し、ロイはエドの唇を奪おうとする。

「な…っん…んんっ…!!」

抵抗しているにも関わらず、ロイはその唇を堪能する。

「…っヤメロって言ってんだろ!」

懇親の力を振り絞って突き放すと、ロイは眉を顰めて唇を離した。
だがまた自分の唇を狙ってくるロイに、エドは必死になって自分の手でロイの口を塞ぐ。









あーああ…


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